おたふくワクチン定期接種化(予定)について
おたふくかぜワクチンの定期接種化に向けて
ようやくおたふくワクチンの定期接種化となることがほぼ決定しました。ただし実施時期は未定ですが、2027年春には実施される見込みです。
日本におけるワクチンの歴史と現状
世界中では1990年以前から、麻疹(はしか)・風疹・おたふく(ムンプス)の3種混合ワクチン(MMRワクチン)が接種されてきました。日本でも1989年からこのMMRワクチンが定期接種となりましたが、副反応が多く出るとの理由で、1993年以降、世界中でほぼ日本だけが接種中止となりました。
以後、現在に至るまで日本では、MRワクチンのみが定期接種(無料)で、おたふくワクチンは任意ワクチン(有料)という状況が続いています。そのため接種率は60%足らずで、いまだに脳炎や髄膜炎、おたふく難聴に罹患するお子様が出ています。なお、ワクチンを接種していれば、万が一おたふくかぜにかかっても重症化することはほとんどありません。
MMRワクチンの開発と安全性の確認
日本でもおたふくワクチンの定期接種化とMMRワクチンの認可が強く望まれてきました。定期接種化により希望するお子様全員に接種を行うには、安定供給が必須であるため、輸入ではなく日本国内での開発が必要でした。国内開発には厳格な規則があり、以下のプロセスを経て認可されます。
| 治験 | ボランティアの方に協力いただき、薬やワクチンの効果と安全性を検討する試験のことです。 |
|---|---|
| 認可のプロセス | 数年間の検討を経て国から認可されることで、一般の医療機関でも接種が可能になります。 |
私は勤務医時代から、感染症の権威である上司のもとで多くの治験に参加してきました。MMRワクチンについても、2010年頃に1歳児への初回接種の治験を、2015年頃に追加接種の治験を行い、2020年頃には効果や副反応の出現とも全く遜色がないとの結果が出ていました。その後、新型コロナウイルスの流行などで遅れが生じましたが、ようやく当院でも治験を行ったMMRワクチンの製造承認が下り、定期接種化される見通しとなりました。
今後の接種スケジュールと注意点
定期接種が開始されても、当面は「現行のMRワクチンとおたふくワクチンの2本同時接種」と「MMRワクチンのみの接種」が併用される予定です。なお、定期接種の開始時期は各自治体に裁量権があるため、国が認可してもお住まいの地域(横浜市など)でいつ採用されるかは直前まで分かりません。
今後の接種に関するアドバイス
- 1歳時の接種:満1歳のお誕生日を迎えたら、なるべく早く現行のMRワクチン、おたふくワクチン、水痘(みずぼうそう)ワクチンの同時接種を強く推奨します。ただし、状況によっては調整も可能ですので、1歳時のMRワクチン接種の際にご相談ください。
- 2回目の接種:これまでは小学校入学前にMRワクチンとの同時接種を勧めてきましたが、今後は少し時期を待っても良いと考えられます。MRワクチンの第2期接種時にあわせてご相談ください。
